第13回組込み適塾

  • D04-03
組込み技術者のためのファシリテーション概論(午前半日)

講義日時:2020年7月27日 9:30~ 13:00

講義概要

比較的個人で開発を行うのが多い組込み技術者のために、チームで問題解決にあたる際の方法論の習得を目的として、ロジカルに整理しながら議論を見える化するためのファシリテーション技法やグラフィック記法を学ぶ。本手法は、新規ビジネスなどのイノベーションの局面だけでなく、既存ビジネス・製品に関する問題解決や「自社製品の強みや売り」などを分かりやすく整理することにも活用できる。さらにこれらの技法を応用して、仮想的なIoT応用開発の事業戦略をグループ討議で検討する戦略立案ワークショップの演習を行う。職場に持ち帰って実行する事後課題も合わせて、実践的なリーダーシップを発揮できる人材(十字型人材)を目指す。

講師

所属
三菱電機株式会社
講師名
前川 隆昭
1981年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻修了、同年三菱電機入社。主として社会インフラ系ソフトウェア開発に携わり、電力産業システム事業所・IT開発課長、米国シリコンバレー事務所長、設計システム技術センター・ソフトウェア技術部長、人材開発センター・情報教室長などを経て、定年後も主管講師としてソフトウェア技術者の育成に従事。国家資格キャリアコンサルタント、「7つの習慣」公認社内ファシリテーター、社内リーダー育成コース講座長。

講義内容

  1. 本講座の概要:講師の自己紹介に続いて、本講義の狙いや特長などの概要を説明するとともに、講義概要に記載した「十字型人材」についても説明する
  2. ファシリテーションとは:ファシリテーションの定義と応用分野について説明する
  3. ワークショップへの応用:ワークショップの定義、会議との違い、ワークショップの構成要素などについて説明するとともに、ファシリテーション技法の応用について解説する
  4. ファシリテーションの技法:共有→発散→収束→決定のサイクルを回しながら、ワークショップを進めていく技法について、小演習を交えながら説明する
  5. ファシリテーショングラフィックによる議論の見える化:話の内容を図解するための様々な手法について、特に構造化するためのフレームワークや図解ツールを中心に説明する
  6. 戦略立案ワークショップ「IoT応用システム」演習:これまでで学んできたファシリテーション技法を活用して、グループ別のワークショップにより「IoT応用システム」の事業戦略を立案し発表する
  7. 論理的問題解決のレシピ:グループ討議で十分深掘りできなかった論理的に問題解決を行う手法について、そのプロセスと留意点を説明する
  8. 事後課題について:職場に持ち帰って実践する事後課題とその提出方法について説明する

受講要件

【受講要件】
  • 対象として、中堅のチームリーダー、実践的なファシリテーション技法を学びたい管理職、これからチームをまとめる役割を担う若手技術者を想定しているので、これらの要件に叶う方の受講を期待する
【事前学習のポイント】
  • 事前に電子ファイルで提供されるテキストをよく読んで、小演習をあらかじめ行っておくとともに、質問ポイントをまとめておくことが望ましい

事前学習教材

  • 講義2週間前に電子ファイル送付(事前学習を推奨)

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等

  • 書籍「ファシリテーション入門」堀公俊、日経新聞出版、2004年
  • 書籍「トヨタの問題解決」OJTソリュウーションズ、KADOKAWA、2014年