第13回組込み適塾

  • A01-04
自動走行時代の車載システムアジャイルアーキテクチャ

講義日時:2020年8月18日 9:30〜17:30

講義概要

開発プロジェクトは大規模複雑化し、社会環境変化も急激だ。リスクが高い時代で、リスクベースの開発プロセス/プロダクトアーキテクチャで開発が求められる。車載組み込みコンピユータ開発半世紀を整理し、自動走行時代に要求されているポスト機能安全プロセスとリスクポテンシャルに基づく現場製品アーキテクチャ/CPUを解説する。併せて安心/安全/セキュリテイ/説明責任/社会受容性 = 総合信頼性デペンダビリテイに絡め、高信頼なアジャイル高速開発が進んでいる世界状況/対応技術/注意点を考える。様々な現代的な考え方の違いにも触れる。

講師

所属
一般社団法人 デイペンダビリテイ技術推進協会 
講師名
鈴村延保
1977年よりアイシン精機にて安全制御コンピユータ量産化に従事。4ビットマイコンの時代から自動変速機、アクテイブ・サス、ABS、ESCのコンンピユータ、システム、ハード、SoC IC設計、実装の開発・製品化に従事。2008年より6年間機能安全 ISO26262規格審議委員。機能安全プロセス構築と展開に取り組み、その後ソフトウェア開発専門企業アイシン・コムクルーズに移り、開発比重の高くなったソフトウェア課題対応に比重を置いた。現在はクリチカル システムの高速効率的開発が関心事。”高信頼でかつ高速効率開発を現場第1優先課題”と捉え、関係者とDEOS協会自動車応用部会を発足。IEC TC56 WG4 Dependability 日本国内規格委員

講義内容

  • 多種な思考方法。現代に必要なゴール思考、デザイン思考、ビジネスアジャイルとは?この機会に考える 。
  • 自動車制御の特徴/キーワード、自動車制御と、IT 分野制御の違い。
  • 自動車分野の組込みソフトを取り巻く環境は、10年ごとのパラダイムシフトの連続、それは何で根源は何か。
  • シリコン革命の認識。車両、システム、ECU全開発がソフトウェア指向へ、さらにアジャイルアーキテクチャーへ。
  • ソフトウェア工学,アーキテクチャ工学,システム工学の形成、さらに Socio Systems Engineeringの形成 
  • システム/アーキテクチャレベル(上流や、早い段階)での設計、検証の重要性。
  • 全体効率の考えがますます必要。 設計でも検証でも基本的に重要なバランス感覚三つのP:
  • 機能安全、モデルベース開発、ビジネスアジャイル の台頭は時代の流れ。全てに流れるリスクベース思考。
  • 良い商品設計に必要な安全分析/脅威分析の実践が広く求められている。これもリスクベース思考。
  • 自動走行技術のセーフティゾーン、リスクポテンシャル、リスクポテンシャルマップの事例とSOTIF、社会受容性。
  • 自動走行時代に何が求められている? アジャイルアーキテクチャーはプロセスとプロダクト。深層学習CPUは?
  • 高信頼で高速高効率開発(アジャイル)は不可欠。PoCから即プロト、即製品へ、その何がポイントか?
  • V&V 、V&V の延長のプロダクトライン開発、さらに派生開発、それらとアジャイルの関係。
  • 支援するツールの重要性: ALM、PLM、ソーシャル開発、アジャイルALMが設計者を救う。
  • Git的ツール/JIRAの使い方、ベストプラクテイス事例。 ネットワーク化、ソーシャル化で今後必要とされるスキル。

受講要件

【受講要件】
プロジェクトリーダ,設計,テスト,レビューなど開発全般に従事されている方 (3年以上の経験者で未受講の方、または将来技術動向に関心のある方)。自動車自動走行を事例としていますが、組み込み全般に応用できるよう汎用化しています。
【事前学習のポイント】
講義に関する下記参考文献は講義者による文献で、事前に目を通すことをお勧めします。

事前学習教材

  • 【 教科書 】講義2週間前に電子ファイル送付(機本パート、応用パートがあり、基本パートは事前学習下さい)

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等