第14回組込み適塾

  • A01-03
自動走行システム組込みアジャイルアーキテクチャ俯瞰

講義日時:2021年8月5日 9:30~17:30

講義概要

開発プロジェクトは大規模化し、社会変化は急激で予想し難い。リスクが高く故に、見合った開発プロセス/プロダクトアーキテクチャ開発が求められる。車載組込み開発半世紀の経緯と自動走行に至った現代に要求されたリスクベースな、機能安全とリスクポテンシャルに基く車載組込製品アーキテクチャやアジャイルを解説する。安心/安全/セキュリテイ/説明責任/社会受容性 = デペンダビリテイという切り口で、高信頼なアジャイル高速開発が進んでいる状況/対応技術/注意点/キーワードを解説し皆さんの現場現状と比較し討議を挟み考える機会にする

講師

所属
一般社団法人 デイペンダビリテイ技術推進協会 
講師名
鈴村延保
1977年よりアイシン精機にて安全制御コンピユータ量産化に従事。4ビットマイコンの時代から自動変速機、アクテイブ・サス、ABS、ESCのコンンピユータ、システム、ハード、SoC IC設計、実装の開発・製品化、リサーチに従事。2008年より 6年間機能安全 ISO26262規格審議委員。機能安全プロセス構築と展開に取り組み、その後ソフトウェア開発専門企業アイシン・コムクルーズに移り、開発比重の高くなったソフトウェア課題対応に比重を置く。現在はクリチカルシステムの高速効率的開発が関心事で、”高信頼でかつ高速効率開発を現場第1優先課題”と捉え、関係者とDEOS協会自動車応用部会を発足。IEC TC56 WG4 Dependability 日本国内規格委員格委員

講義内容

  • ・まず多種な思考方法、現代に必要なゴール思考、デザイン思考、ビジネスアジャイルとは?をこの機会に考える 。
  • ・自動車制御の特徴/キーワード、自動車制御と、IT 分野制御の違いを概論で確認。
  • ・自動車組込みソフトを取り巻く環境は、10年ごとの激しいパラダイムシフトの連続と言える。過去50年を見てみる。
  • ・シリコン革命が影響するシステム、ECU全開発のソフトウェア指向、さらにアジャイルアーキテクチャーへの流れ。
  • ・ソフトウェア工学,アーキテクチャ工学,システム工学の形成から System of Systems Engineeringの形成に触れる。 
  • ・システム/アーキテクチャレベル(上流や、早い段階)での設計、検証の重要性の再確認。
  • ・言い換えると全体効率の考えがますます必要で、設計も検証も重要なバランス感覚三つのPに触れる。
  • ・機能安全、モデルベース開発、ビジネスアジャイル を整理し振り返る。全てに流れるリスクベース思考を確認。
  • ・良い商品設計に必要な安全分析/脅威/価値分析の実践がより求められているのは、これもリスクベース思考。
  • ・自動走行のセーフティゾーン、リスクポテンシャル、リスクポテンシャルマップの事例とSOTIF、社会受容性の関連。
  • ・自動走行実現に何が求められているか再確認、高信頼で高速高効率開発(アジャイル)は不可欠。
  • ・アジャイルアーキテクチャーはプロセスとプロダクト両方で、PoCから即プロト、即製品へ、その何がポイントか?
  • ・多車種開発、プロダクトライン開発、派生開発がますます注目されるが、それらとアジャイルの関係を見る。
  • ・支援するツールの重要性や機械学習、人工知能でCPUはどう変わったか?
  • ・その他:Git的ツール/JIRAはアジャイル的行動ツール。ネットワーク化、ソーシャル化で今後必要とされるスキル。

受講要件

【受講要件】
プロジェクトリーダ,設計,テスト,レビューなど開発全般に従事されている方 (5年以上の経験者で未受講の方、または技術動向把握に関心のある方)。技術の流れを含め、自動車自動走行を事例としていますが、組み込み全般に応用できるよう汎用化しています。
【事前学習のポイント】
講義に関する下記参考文献は講義者による文献で、事前に目を通すことをお勧めします。

受講にあたって必要な準備

  • A4メモ用紙 10枚と筆記用具を準備ください

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等